こんにちわ!理学療法士のあひるです
今回はスライドレイアウトにおける『余白』に関してご紹介します
余白とは一般的に、
- 何もない空白の部分
- 文字や装飾などが入っていない部分
を指します
あなたは余白があると
- 手を抜いているんじゃないか…
- なんか寂しい…
- 情報を詰め込まないともったいない…
そう感じたことはありませんか?
その結果、余白を盛るために、
- 文字を大きくしたり
- 情報を詰め込んだり
- いらない図や写真を載せて見たり
していませんか?
それって実はNGなんです
この記事を読むことで
- デザインレイアウトの基本
- 余白の重要性
- 余白の活用方法と意識するコツ
がわかります
私は社会人になって10年以上、様々なスライド、資料、講演原稿などを作成してきました
そして余白による効果やダメな使用方法もたくさん見てきました
- 余白は意識的に作るものであり、デザイン全体に影響を与える
- 余白はただ作るのではなく、さまざまなテクニックと合わせることが効果的
せっかく作ったあなたの素晴らしいスライドも、情報が詰め込み過ぎると伝わりません
最後まで読んで頂くことで、あなたも読み手もストレスなく伝わるスライドを作ることができます
それでは行ってみましょう!
スライドレイアウトの基本4原則の1つである余白はデザイン全体に影響を与える

はじめに、スライドレイアウトの基本4原則を抑えていく必要があります
詳細はこちらの記事でご覧ください
スライドレイアウトの基本4原則は以下の通りです
- 揃える
- グルーピング
- 関係性を明確する
- 余白
それぞれを簡単に説明すると
揃える
文章や図形、画像などは、全て縦や横にきっちり揃えましょう
文章や図形が揃っていないのは、雑な印象だけでなく読む順番を混乱させてしまいます
グルーピング
あらゆる要素を情報のまとまり(グループ)ごとに分類することを指します
同じグループのものは近づけ、違うグループのものは離す、これを『近接』と言います
関係性を明確にする
表現したい関係性によって配置方法を変えることで、ぱっと見で関係性がはっきりさせることができます
余白
文字や図形に余白がないスライドは読みにくい、ということはわかると思います
時間や枚数の制限によって情報を詰め込み過ぎてしまうことも多々ありますよね
しかし実際は情報を詰め込まなくても、効果的に「グループであること」を表現することができるんです
今回は4原則のうち、もっとも重要な『余白』に関しての内容となります
余白があることで他の3原則をより際立たせることができるんです

でも余白があるとついつい埋めちゃいたくなるんだよね…



その気持ちはすごい分かります



でもメリットがあるとどうですか?
余白を作ることでのメリットとしては、
- 伝いたいことを目立たせる
- デザインがぐっと良くなる
- 読み手の理解度が上がる
逆に余白がないと、
- 情報量が多すぎて、本当に伝えたいことが伝わらない
- 「圧迫感」を感じ、視線が散ってしまう
- そもそも読む気が失せる
など、挙げればキリがありません
つまり大事になってくるのが、「余白を意図的に作る」ということです
しかし、ただ単に余白を作ればいいというワケでもありません
次項からは余白を用いた具体的な活用事例をご紹介します
スライドに余白を用いた活用8選


今回ご紹介する方法は以下の8つです
- カーニング
- 行送り
- 配色
- トリミング
- フォーカス
- 情報のグループ化
- 視線誘導
- 安心感
1つずつ見ていきましょう
余白×カーニング



カ、カーニング…



始めから専門用語が出てしまってすいません(汗
カーニングとは、文字同士の間のスペースを調整することを指します
文字間の詰まったスライドは情報を認識にづらく、見た目も良くありません
あえてゆとりをもたせることで、情報処理もしやすくなります
余白×行送り
行送りとは、『行間』とほぼ同じように捉えて頂いて構いません
あえて違いを言うならば、
- 行間:2つの行の間隔
- 行送り:1つの文字から次の行の真下にある文字との間隔
といった感じになります
また似たような表現に行長というのがあります
行長とは、1行に入る文字数もしくは行の長さのことを指します
つまりこれらを総括して簡単にいうと、
適度に文字間および行間を空けましょう
ということです
ここで注意が必要なのが、文字に関しては狭すぎても空き過ぎていてもストレスになる、という点です
さきほど出たカーニングも含め、行間などの調整に関しては別記事で詳細があります
余白×配色



配色?余白って白い背景のことじゃないの?



それは誤解です
余白には何もない空白の部分以外にも
- 文字や装飾などが入っていない部分
- 要素が何も置かれていない空間
も含まれます
背景色だったり、単色で塗りつぶされた図形などの空白部分も当てはまります
つまりこの配色を透明感のある色にすることで、品のある軽やかな空気感を出すこともできます
その他Adobe Colorなどのツールも大変お勧めです
余白×トリミング
こちらに関しては実際のスライドを見た方がわかりやすいかと思います
こちらをご覧ください


このスライドも見やすいのですが…
こんな感じにしてみました


スライドと関連がある画像を右に寄せ、あえて一部をトリミングしました
こちらの手法は日本画で良く使われたものとなります
あえて絵の一部を見せないことで
- 絵にフォーカスを当てる
- 想像力を膨らませる
- 空間の広がりを感じさせる
などの効果があります
余白×フォーカス
次はこちらの画像です


スライド画像上にタイトルがあり、画像のインパクトでタイトルに視線が集まりにくい状態です
そのためこんな風にしていみました


タイトルの文字を白色にし、その背景に透明度を上げた黒の余白を入れてみました
それと実は一部分にフォーカスさせるため、スライドの情報量に原則があることをご存じですか?
それは
1スライド=1メッセージ
です
情報量が多くても、わかりやすさには繋がりません
こちらに関してはこちらもぜひ参照してください
余白×情報のグループ化
重要度が同じ要素をレイアウトする際のグループ分けをする方法として
- 囲み枠で区画を分ける
- 見出しの色を変える
といった方法がありますが、余白でも可能です
詳細は別記事にありますが、コツとして
- 複数の要素を載せる際は、グループ同士でグルーピング
- 同じグループは近づけ、違うグループは離す
が挙げられます
余白×視線誘導
学会発表などのスライドでは順番通りに読んでもらうことが重要です
そのレイアウトに余白を活かせれば、もっとスマートに視線を誘導することができます
視線の動きは主に3つあります
- Z型:横組みのデザイン
- N型:縦組のデザイン
- F型:Webデザインなど
厳密に分ける必要はありませんが、あなたがスライドのレイアウトをどの型にしているか理解していることが重要です
こちらはZ型の例です


つまりいらない写真や画像を入れてしまうと、視線が分散してしまうため正しく情報が伝わらなくなってしまいます
この視線誘導に関しては別記事でさらに詳細をお伝えします
余白×安心感
余白のないレイアウトは見る人を不安にさせ、途中で読むのを諦めさせる可能性があります
さらに詰め込むことでごちゃごちゃした印象になってしまい、残念ながら重要な点に目が向きません
イメージとしてはこちらです


余白がないとどこに視線を向けて良いかが分かりません
なので情報を整理し、余白を活用して視線を集めましょう


あくまでもイメージではありますが、自然と真ん中のPCに視線が行きませんか?
なおかつ読み手のストレスを減らし、安心感を与えることができます
スライドに余白を入れるコツは3つ


最後にスライドへ余白を入れるコツを3つ紹介します
こちらですね
- ガイドとグリッド線を有効活用する
- 図形の中のテキストの余白も十分に取る
- 行間を1.3~2.0くらいに設定する
先ほどの活用8選と組み合わせてお使いください
1つずつ見ていきましょう
余白のコツ:ガイドとグリッド線を有効活用する
ガイドとは、図形やテキストボックスを、各スライド間で統一した位置で配置するときに使う目安線を指します


グリッド線は、縦横に表示される背景目安線のことです


どちらもリボンの「表示」タブから、チェックをするだけで使用することができます
目視で図形の調整や余白を意識的に作る際に大変便利です
余白のコツ:図形の中のテキストの余白も十分に取る
こちらの画像をご覧ください


こちらは図形のテキストに直接文章を打ち込みました
なんとなく、図形の上側に文章が位置していませんか?
当サイトでお勧めしている視認性の高い『メイリオ』だと、図形の中では位置が上側になってしまうことがあります
文字内の配置を変えてもあまり変化がありません
なので私は、図形とテキストを分けて作成しています


テキストボックスを重ねることで簡単に入れることが出来ます
細かいようですが、このような小さな配慮の積み重ねが読み手の負担を減らすことができるため、ぜひやってみましょう
余白のコツ:行間を1.1~1.3くらいに設定する
こちらは先ほどの余白×行送りでもお伝えしましたね
ただ1枚毎に行間を調整するのは大変なため、スライドマスターという機能をうまく活用しましょう
スライドマスター画面で最初に行間を設定することで、全スライドに反映することができます
スライドデザインにおける余白の重要性と実践のまとめ


今回はスライド作成においてとっても重要な『余白』についてご紹介しました
- 余白とは、文字や装飾などが入っていない部分
- 余白を作るメリット
- 伝いたいことを目立たせる
- デザインがぐっと良くなる
- 読み手の理解度が上がる
- スライドレイアウトの基本4原則の1つである余白はデザイン全体に影響を与える
- 余白は以下の8つと組み合わせることでより効果がある
- カーニング
- 行送り
- 配色
- トリミング
- フォーカス
- 情報のグループ化
- 視線誘導
- 安心感
- スライドに余白を入れるコツは3つ
- ガイドとグリッド線を有効活用する
- 図形の中のテキストの余白も十分に取る
- 行間を1.1~1.3くらいに設定する
余白を作るのが怖い!その気持ちはよくわかります
しかしあくまでもスライドを作る目的は、正確に情報を伝える事ですよね?
読み手の負担を第一優先に考え、ストレスなく伝わるスライドを心がけましょう
最後までお読み頂き、本当にありがとうございました
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